シャンパーニュに合わせる料理と言えば、真っ先に思い浮かぶのがキャビアだろう。ブリニという小さなパンケーキにサワークリームを塗ってタップリのキャビアをのせ一気に頬張りシャンパーニュを流し込む。至福のひと時だ。
ただ、シャンパーニュのスタイルは多岐に渡る。決して食前のアミューズに合わせる軽めのタイプだけではなく、メインディッシュを含めて様々な料理と合わせる事が出来る。
ミネラル感が豊富で塩味すら感じるブラン・ド・ブラン、特にプレステージクラスであれば真鯛の岩塩包みの風味に合うし魚料理の力強さにも負けない。このスタイルのシャンパーニュが熟成しマッシュルームや白カビチーズの様なブーケが出てくる頃になれば、同じ魚料理でもベシャメルソースにキノコを加えた平目のグラタン仕立てにしても良いだろう。もちろん仕上げにチーズをタップリとかけて。
樽熟成をさせていて芳ばしい風味が特長的なスタイルのシャンパーニュなら、スモーキーなベーコンで巻いたアンコウのソテー、香り豊かな焦がしバターを添えた芳ばしい料理にも対抗できる。それが熟成しローストしたアーモンド等の風味が増幅した頃なら、仔牛をローストし肉汁をベースにした旨味のあるソースを添えた料理にも十分にバランスが取れる。
赤系果実のフルーティさが特長的なロゼなら、ラズベリー・ヴィネグレットで和えた海老のサラダなどを太陽サンサンのテラス席で楽しみたい。それが熟成し旨味の様な風味が出てきた頃ならディナーでじっくりとクラシックなフランス料理、オマール海老のテルミドールと一緒に時間をかけてゆっくりと楽しめばシャンパーニュの奥深さを心から堪能できるだろう。
デザートと一緒に楽しむワインと言えば貴腐ワイン等の甘口が思い出されるだろう。しかし、シャンパーニュとデザートの組み合わせも素晴らしい。特にフルーツの酸味がありクリーミーで滑らかな口当たりのデザートなら濃密な貴腐ワインよりも好ましい事が多々ある。
甘酸っぱいレモン風味のシブーストを頬張りデミセックと呼ばれる爽やかな甘口シャンパーニュを流し込めば、ヘビーな食事で火照った体を心地よくクールダウンさせてくれるに違いない。